Music Gallery
◆「What a Wonderful World」
「サッチモ」(カバンのような大きな口)の愛称で知られた黒人ミュージシャン、
ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」。
ジャズの出発点において大きな足跡を遺し、後年、ダミ声のボーカルとその満面の笑みが、世界中の音楽
ファンに愛された。
ルイ・アームストロング(ジャズ)
■ 1901/08/04〜1971/07/06。Louis Daniel Armstrong。 ジャズという20世紀を代表する音楽表現を確立した最重要人物の一人で、トランペット/コルネット 奏者、シンガーでもある。ニューオーリンズの極貧家庭に生まれ、小さな頃から音楽は得意だったが、 彼をジャズ・ミュージシャンへと変えたのは矯正施設での生活だった。 1912年の大晦日にルイは景気づけに街路で銃を撃ち、そのために施設送りとなった。そして出所す る14年には、彼は少年とは思えないほどのコルネット奏者に成長していた。 キング・オリバー、キッド・オーリーらのバンドで活躍したのち、22年にシカゴへ向かい再びキング・オ リバーのバンドに加わる。翌23年に同バンドのメンバーとして初録音。自分自身のバンドとしての初レ コーディングは25年11月12日である。この時代の、彼のホット・ファイブ、ホット・セブンの演奏はジャズ ・クラシックとして今も語り継がれる。 26年のホット・ファイブ「Muskrat Ramble」はトップ・テン・ヒットとなり、続いて27年の「Big Butter and Egg Man」、28年の「Hotter Than That」とヒット曲を生み出した。「Muskrat Ramble」は彼がメイ・エイリ ックスとデュエットした初めてのボーカル・レコーディング。28年9月にはルイの代表的1曲となる「West End Blues」も録音されている。 30年代に入って、ルイの人気はより高まり、黒人市場のためのレーベル、オーケーから、その上部の 白人系レーベルであるコロンビアへ移籍している(32年)。「Chinatown, My Chinatown」「All of Me」など がその当時のヒットである。 35年には、「When the Saints Go Marching」 などコンスタントにヒットが続いた。 卓越した演奏能力に加え、多角的な魅力を持っていたのがルイ・アームストロングだった。「スキャット」 というユニークな唱法を広め、ダミ声のボーカル・スタイルがトランペット以上に世界に知られた。 がま口(サチュル・マウス)のような口に付けられたアダ名が「サッチモ Satchmo」。白いハンカチにトラ ンペット。汗を吹きながら、ステージや映画でニコニコと笑う姿は、黒人としてあまりにも卑屈でありジャズ の精神とはかけ離れていると批判を受けたこともあったが、リスナーからは幅広い支持を受け続けた。 第2次世界大戦が終わったあと、彼は押しも押されぬブラック・スターとして活躍し、アメリカの親善大使 的な役割も担うようにもなった。 64年、ブロードウェイ・ミュージカルの「Hello, Dolly!」がチャート1位となり、同曲でグラミー賞ベスト・ボー カリスト部門を受賞。 68年、は「What A Wonderful World」がイギリスや日本で大ヒットした。 71年、心臓病が原因でニューヨークで亡くなった。 |
それでは、どうぞ、ごゆっくり・・・・・・・・・・。