男声合唱団タダタケを歌う会が
「コンサート第参」を開催
男声合唱団タダタケを歌う会が「コンサート第参」を開催
「コンサート第参」が開催されました。
←川口リリアホール
今回のコンサートは、前回のコンサート第弐から1年半余を経ての開催となります。
演奏曲は、多田武彦氏に委嘱した男声合唱組曲「鳥の歌」の初演を含め、男声合唱組曲
「雪と花火」、その他男声合唱組曲「人間の歌」から「縫い付ける」ほか、多田武彦氏の数曲を
ア・ラ・カルトとしたものなどでした。
タダタケを歌う会は、多田武彦氏の作品を専門に演奏する男声合唱団で、今回は創立6年目
の第3回演奏会となります。前回のコンサート第弐から1年半余が経過しましたが、格段に向上
したハーモニーの素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
←演奏風景
もともと合唱経験の深いメンバーの集まりですが、多田武彦氏の音楽を最も中心に置いておら
れる高坂 徹氏の指揮のもと、団内指揮者を務める3人の若いアンサンブルリーダーを配して、
毎週1回、3時間の訓練をこなしているそうです。多田武彦氏にも直接ご指導を受ける機会がある
とのことでしたが、ハーモニーの質の高い演奏が披露されました。
川口リリア音楽ホールには、2千人の大ホールと600人の音楽専用ホールがありますが、この
音楽専用ホールは、正面に大きなパイプオルガンを据えた本格的な音楽ホールで、申し分のない
音の響きを聴かせてくれました。
当日のプログラムはいずれも多田武彦作曲で
T 男声合唱組曲「雪と花火」(北原白秋作詩)
U タダタケ ア・ラ・カルト
縫い付ける(堀口大学作詩)
月の光(中原中也作詩)
早春(津村信夫作詩)
雨中小景(北原白秋作詩)
南国の空青けれど(立原道造作詩)
V 男声合唱組曲「鳥の歌」(三好達治作詩)初演でした。
第1ステージは、最初のテノールの斉唱から入った瞬間から、コンサートの素晴らしさを予感させ、
ゾクゾクした期待感を持たせてくれました。
第2ステージのア・ラ・カルトは、団内指揮者の小池氏が、若さあふれる指揮を見せてくれました。
第3ステージは、多田武彦氏に委嘱した曲の初演でした。
当日のプログラムに寄稿された多田武彦氏の言葉によると、
「現在83歳の私は、生来の虚弱体質の上に加齢現象にも苛まれ、主治医からは外出禁止令も出
ていて、個室に籠って少しずつ新作を書き残す毎日を送っているが、過日、たまたま体調も少し良
かったので、主治医のお許しを得て、(タダタケを歌う会の)定例の練習を拝聴することにした。
《男声合唱の名指揮者としては本邦五指に入る》と評価されている高坂 徹先生の明快なご指導と、
男声合唱を知り尽くした各位の熱唱で、本番への手応えは十分であった。」
と掲載されており、まさにその通りの本番の演奏を繰り広げて、多くの来場者に深い感銘を与えたと
思われます。
この男声合唱組曲「鳥の歌」は、広く愛唱される予感を感じさせて、1時間半のコンサートが終わり
ました。
次のコンサート第四を楽しみにしつつ、男声合唱の仲間と帰路に就きました。(山下広之、記)